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銭湯のオヤジの銭湯なんだかんだ。銭湯の温度、今昔。

昔の爺さんやおっさん連中はすごかった。
(女風呂は知らないので婆さんや小母さんは知らん)
 銭湯の温度も少しづつ低くなってきました。ぬるい温度(と私は)思うのですが、 銭湯をやっているのに銭湯のおばさん(家内)や銭湯の家の子供3人達までもが「熱い」と言います。 思い返せば、子供の頃(35年前)の、「爺さん」や「おっさん」達ははすごく熱いのが好きなお客さんでした。
 たまに一番風呂に入りに行くと根性がいりました。
 一番風呂は熱いのが好きなお客さんばかりでした。湯船に足を入れると思わず足を引っ込めます。引っ込めた足が赤くなるぐらいがちょうどの熱さ。 熱くて、うめ水(と言っても温水器という廃熱回収する所を通ったお湯なので、ぬるい)の蛇口をひねると、 少しして横から熱い湯好きのお客さんの手が伸びて水を止められます。
 水の蛇口にへばりつくようにして、蛇口をつかみながら我慢して入ります。 体のあちこちがピリピリして、とびだしたくなるのをじっとがまん、大きく息を吸ってから息を止め体全体に力を入れ、 ウーとうなり続けると我慢できます。我慢できないで飛び出してしまったら、ちょっと休憩して再挑戦です。 45度Cを越えて46度Cくらいの温度でしょう。
 これでダメなら最後の手段。風呂桶を集めて来て、水を4−5杯汲んでおきます。 風呂を湧かしているのと反対側の隅にこれを並べて、水を入れておきます。 2−3ばい湯船の隅に水を入れて温度を下げておき、お湯をかき混ぜないようにそっと湯船(浴槽)に浸かります。 湯に浸かった体に、手で持った風呂桶の水をかけるように注ぎます。お湯の中で水をかぶる要領です。もちろん、息をつめてウーとうなります。
 なんとか浸かれたら、しばらくはじっと動きません。動くと、熱くて飛び出したくなります。 先に入っている人がお湯をかき回したりすると、湯船の隅の方へ「ゆっくり&急いで」逃げて行ってウーとうなって我慢です。 早く動くと熱くて飛び出したくなるので、「ゆっくり&急いで」の兼ね合いのコツがムヅカシイ。 皮膚の近くにあるお湯が体で冷却されて、温度の低い薄い層になって体を包んでいるから、熱い温度でも浸かっていられるのです。 だんだん体がなれて来ると、適当に皮膚がチクチクと刺激されてメッチャ心地よく感じます。 もう、じっとしてると刺激がなくて、たよりなく感じるようになると体をゆっくり動かして熱さを求めます。湯温によって体を動かす速さをコントロールします。 熱い湯の醍醐味を味わえます。たぶん46度Cくらいの湯温でしょう。
 今のお風呂のように、ジェット水流や泡ブロワーでお湯が動いているところが多いと、体感温度をコントロールしにくいですね。
 もうちょっと温度が高くて、47度−48度?Cくらいの時は、 やっと浸かることができた後、熱く感じないでヒヤーと体が涼しく感じます。 この感じもなかなかいいものです。熱いほど涼しさが増して,冷たく感じるようになります。 冷水に入っている感じです。でも、感覚がおかしくなっているのは確かなので、アブナイ(ヤバイ)気がして、なるべく早めにお湯の外へ出ます。 怖いのでこの状態で長く入っていたことはありません。 お湯から出ると、首から下は、足の裏まで真っ赤になっています。体全体がボワーンとした感じで、体の一部がしばらくヒリヒリすることもあります。 お年寄りは感覚が鈍っているのか、なれているのか、ほんのり赤い程度で、「ハアー、ええお湯やー」と言ってました。
 当時は、(京都以外は知りませんが)銭湯のお湯は熱いのがサービスで贅沢。 熱くしてあるのを、お客さんが好みの温度に下げる、というものでした。お客さんの「ぬるいぞー」 という大声の苦情はよくありましたが「あついぞー」というのは、あまり記憶にありません。(「ぬるいぞー」と言われない為の 釜焚き=ボイラーマンの苦労−作成予定)熱い時は、水でぬるくして(ぬるくなるまで待って)入りました。 お湯の濾過装置がなかったので、水を加えた量が湯船からあふれて、お湯の汚れるのを防いでいたことも理由のひとつだったのでしょう。
 また当時は、燃料確保が大変でした。もうからなくて、高価な石炭燃料が買えない風呂屋(銭湯)は、 木粉(木材の鋸切りの引き粉)かんなクズ、木片、廃材を買って焚いていました。これを運ぶのがかなりの重労働でした。 平屋の燃料小屋の中が屋根のトタン板の高さまで燃料を積み上げて、燃料をたくさん使う冬に備えていました。 製材所や木材加工所からの木クズ燃料を安定確保する為に、権利金を納める場合もあったようで、権利金の預かり証が家に残っています。
 そういえば、ずいぶん昔(25年前)ですが野沢温泉スキー場の外湯が熱かった。 外は雪が積もっていたので、体が冷えている為かと始めは思いました。でも、我慢して浸かれないのでお湯から出ると足が真っ赤、 の温度だったことがあります。熱いお湯はひさしぶりだったので、首まで浸かるのに少し時間がかかりました。今もあの時の温度なのかな。 当時は餓鬼みたいにスキーを滑りまくっていたので、温泉に入る時間がもったいなく、1度しかはいりませんでした。今も熱いのでしょうか。
 今の銭湯は、ジャグジーでお湯をかきまぜる場合もあってか43度Cで熱いお風呂のようです。
 そんなわけで、やしろ湯も、お客さんの苦情で家庭風呂なみの温度に人気があります。深い浴槽は、ほんの少し熱くしてますが、 だれも入ってなかったりします。そんなに熱いとは思わないのですが・・・。ジェット水流のせいかな。

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